【Waves】H-Reverb
公式( Media Integration )から
http://www.minet.jp/brand/waves/h-reverb-hybrid-reverb/
あらゆる「使えるリバーブ」のための機能を搭載し、クラシック・リバーブの豊かな音色とデジタル・リバーブのアドバンテージを凝縮
音楽の世界でも、新しい技術が、新たな創作手法を生み出すことが多々あります。このH-Reverbは、有限インパルス応答(FIR)技術を応用したリバーブ・プロセッサーで、美しく存在感があり、リッチで深みのあるリバーブ音で、トラックに息をのむ空気感をもたらします。
Wavesで言うとTrueVerbなどです。
設計されたリバーブの多くのパラメータを操作することができるため、薄く馴染むリバーブから、深く空間を感じさせるリバーブ、独特の存在感のあるリバーブまで
かなりの幅をエディットすることが可能なものが多いです。
Wavesで言うとAbbey Road Reverb Platesなど実際にあるプレートリバーブやスプリングリバーブの動作をコピーしたプラグインです。
名機といわれた実機の響きを簡単に得ることが出来ます。
実際の空間のインパルス応答(IR)を元にリバーブを生成するプラグインです。
名高い大きな大ホールの美しく荘厳な響きから、ボーカルブースのドライな響きまで。
IRさえ収録されていれば理論上その場へ行って収録したときと全く同じ音を作ることが出来ます。
WavesでいうとIR1などです。
H-Reverbはモデリングリバーブに該当するハイエンドなリバーブ・プラグインです。
モデリングリバーブは計算方法によってさらに2種類に分類されます。
無限インパルス応答(Infinited Inpulse Respose: IIR)の概念は簡単です。
入力された音に線形な減衰(1サンプル前は75%, 2サンプル前は75%*75%……)というフィルタを設計するのに向いています。
プラグインが立ち上がってからのすべての音を出力に反映するため、一瞬だけ非常に高いピークある楽曲などには向いています。
一方で複雑でリッチな音を作るためには向いていません。
有限インパルス応答(Finited Inpulse Response: FIR)というフィルタ処理を用いているリバーブです。
入力によらず破綻しにくく、また特徴的な効果を付与することも可能です。
いま再生している音から過去数秒の音のみを使うため、一瞬だけ高いピークがある曲には向いていません。(ある意味不自然に減衰します
その反面CPU付加はIIRと比較して高くなりがちです。
主な機能としては
H-reverbの特に機能について見ていきましょう
まずは基本的なリバーブの設定から
簡単にまとめるとリバーブの時間の設定は次のようになります
コレを見て「ああ、分かったよ」という方は基本的な設定の部分は読み飛ばしていただいて構いません。
・Buildup Time
Buildup Timeは、リバーブがピークレベルに達するまでの時間を決定します。
リフレクションがTail遷移するには時間がかかります。
部屋が大きくなると 壁がリスナーから遠いほどBuildup Timeは長くなります。
一般に0.5secから2secの時間を設定しますがその限りではありません。
・Reverb Size
リバーブを行う仮想的な部屋のサイズを設定します。
デフォルト値は1.0です。
小さな値を指定すれば小さな部屋の、大きな値を指定すれば大きな部屋のリバーブ効果を得られます。
・Reverb Time
Reverb Timeは、リバーブが120dB減衰するまでの持続時間を設定します。
減衰の仕方はX-TimeとX-Gain によって変更されます。
・ER
ER(Early Refrection:初期反射)の特性を設定します。
プリセットから選ぶ形になりますが1から10の中から楽曲にあった初期反射を選びます。
デフォルトでは5番が選択されています。
・ER/Tail Balance
初期反射とリバーブのTailと呼ばれる部分のバランスを設定します。
0から100までの値で、デフォルトは73.2です。
値が大きくなるほどERの音が小さくなり、値が小さくなるほどtailの音が小さくなります。
50に設定するとERとtailが同じ利得となります。
・Dry/Wet
リバーブ(Wet)とそのままの信号(Dry)の割合を設定します。
ここは他のエフェクトでも同様なので説明は不要ですね。
さて、ここまではモデリングリバーブの基本的な設定を見てきました。
ではここからはH-Revrebの特に推したい機能を紹介します。
・Analog
Waves NLSと同等のスタイルのアナログサチュレーションをリバーブに付与します。
リバーブが広がりすぎて扱いづらい、リバーブにまとまりがない、リバーブがデジタル臭すぎる、などというときにONにすると非常に温かみのあるアナログな音に変わります。
つまりアナログコンソールでリバーブをミックスするときの音を得ることができます。
デフォルトではOFFですがONにすることをおすすめします!
・Digital
リバーブ音にビットクラッシャーのような効果を与えます。
ちょうどビンテージのデジタルリバーブを使ったときのような効果と似ています。
リバーブに独特な存在感を増したいときに使うと良いでしょう。
ノイズの多い環境でレコーディングしたボーカルに使用すると、非常に駄目な感じになるので使う場合はソースを選びましょう。
・ERフィルター・リバーブEQ
ER、およびリバーブに対してEQをかけることができます。
一般に硬い壁は高周波を跳ね返し、柔らかい壁は低周波を跳ね返します。
大理石や分厚いガラスのような環境は高周波を、グラスウールなどの環境は低周波を強調する傾向があります。
リバーブを掛けるソースに対して適切なERのパラメータを設定してください。
・Time Filters
音の反射の仕方をダンピング、エンベローブ、LFOから選択できます。
リバーブを設定する想定の部屋に合わせて適切なものを選んでください。
最も基本的なリバーブです。
壁から跳ね返る音の低周波・高周波の減衰度合いを周波数ごとに設定します。
注意したいのはパラメータがRatioとなっている点です。
これはTimeFiltersが単純なEQ出ないことを示しています。
例えばリバーブタイムを4秒に設定して、レシオを1.5に設定する場合400Hz以下の音が6秒間かけて減衰していくことを示します。
線形な部屋のリバーブに適していると思います。
・エンベローブ
エンベローブは特殊なリバーブです。
一次反射、二次反射と繰り返して行くたびに徐々にフィルターがかかっていきます。
・LFO
LFOはちょうどiPhoneを口に加えて一定周波数で改廃している時の音に近いです。
これらのパラメータは言葉だけだとわかりにくいと思いますのでサンプルを用意しました。
違いはわりと聞き取りやすいと思います。
基本的にはDumpingに設定しておき、特殊な効果を狙いたいときにはLFOやEnvelopeを選択してみてください。