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【Waves】S1 Imager

公式( Media Integration )から

http://www.minet.jp/brand/waves/s1/

■S1 Stereo Imager

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心理音響学的な空間イメージングテクニックを採用したS1は、ステレオ・ミキシングやマスタリングなど、デジタル編集に必須となるプラグインです。

Shuffler、 Imager、MS Matrix、3つの高性能なステレオ・イメージング・ツールを収録し、多くの環境で88.2/96kHzのサポート、48bit倍精度処理を実現しました。

ステレオ幅や傾き、バランスなどステレオ効果の調整にとどまらず、ブルームライン・シャッフリング、MS/LRプロセッシングも実現する、高機能ステレオ・イメージング・ツールです。

S1はステレオイメージを調整する上で定番といえるプラグインです。

音の広がり、方向を調整する上で様々な手法を簡単なインターフェースで提供してくれます。

 

さて、ステレオの調整には現在3種類の方法があります。

・LR

  主にパンニングで使う方式

 

・ファントムセンター分離

  wavesで言うならwaves - centerなどL/R/Centerに分離する方式

 

・MS分離

  今回説明するS1など世界的に主流となっているステレオ分離方式

このS1は3つ目のMS分離方式のステレオイメージャーです。

 

 Blumlein Shuffleについて

S1 shufflerを使う上で一番理解されていないであろうパラメータShuffleについて説明します。

 

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単純にMS分離を行ってステレオ感の調整を行った場合、低域と高域でステレオ感に違いが現れます。

そこで出てくるのがBlumlein Shuffleという技術です。

詳しくはBlumlein Shuffleを読むと参考になると思います。

 

簡単に言うとステレオ感が高音域になるほど広く感じられるので低音をSide成分の調整に合わせてEQしよう、という事です。

クラブミュージックを始め近代ポップスなどでは「低音成分はセンターにまとめる」が主流だと思いますが、ダブステップやベースの強いロックシーンではサイドに低音が含まれることが多くあるかと思います。

そのような際に、低域のバランス感を保ったままサイドを広げるということを実現してくれるのがBlumein Shufflingです。

 

 実際にデモで聞いてみましょう。

Complextro( Dubstep )のベースを左右に広げたものに足してShufflingをしたサンプルです。

Width=3.0なので完全にSideに振り切っている状態です。

soundcloud.com

 聞いていただいたようにステレオ感が広がった際に、低域の音がShuffling(サイド成分にEQされて含まれるように)なっています。

マスタリングの際に低域が広がっていることが必要な場合や、ミックスする際に低域がちゃんとサイドに広がってほしいときなどはShufflingを使用するか、自分でEQを掛ける必要があります。

 公式ではShuffleのパラメータは1.6~2.5、freqは600~700Hzが推奨されています。

 

S1 Matrixについて

まずひとつ言いたいのは S1 Matrixを二回刺すのはやめましょうということです。

S1 MatrixはLeftにMid/RightにSideを配置してくれるプラグインです。

もう一度S1 Matrixに通せば、MSからLRへ変換できますがオスメはできません。

というのは、S1 Matrixはピークレベルを回避するためにプラグインをインサートするたびに-3dBのゲインリダクションが行われています。

つまり2つのS1 Matrixをインサートすることで-6dBのリダクションが行われるのでその後何かのプラグインで+6dBの補正をして上げる必要があります。

インサートするプラグイン分CPU処理が増えることや、プラグインをon/offして補正の違いを聞く上でもS1 Matrixを刺したらS1 StereoやShufflerのMSモードへ通しましょう。

なおH-EQがあるのでしたら、わざわざMSにする必要なくMidとSideを分けてイコライジングできるので、個人的にはH-EQをおすすめしたいです。

 

ゲインについて

S1はピークに対してL1相当のリミッターが付いているプラグインです。

その為ステレオイメージを広げた際にピークレベルが上がるとL1相当のリミッティングがされてしまいます。

L1はクリアなリミッティングとは言えない歪み系のプラグインなのでピークが超えると音色がかなり変わってきます。

ですので0dBを大きく超えるようなソースにS1を突っ込むのはその音色の変化を意図していない限りはやめましょう。

ピークメーターで-6dB程度にリダクションしておくのが適切かと思います。

S1のピークゲージで赤がついたら必ずインプットのゲインを下げるようにする癖をつけると意図しない音質の変化を防ぐことが出来ます。

 

 最後に

S1は非常に素晴らしいプラグインですが根本的にSide成分のない音(モノラル)やステレオイメージを調整すると表現したいことが崩れてしまう場合においては無力です。

そのような場合はITD( 両耳感時差 )やIID( 両耳感強度差 )をミックスの時点で作っておくことで、ステレオ成分を作ることや調整が必要です。

ポストプロセスの段階でこのような分離をする必要がある場合はNuGen Audio - Stereoizerのようなプラグインを使ってステレオ分離を予め行っておきましょう。